バーサ・ジョーキンズの探索隊はを筆頭に数人で組織され、がスクリムジョールにそう命じられた明後日に出発の予定となっていた。
しかし、命を受けた次の日には、リータ・スキータがバーサ・ジョーキンズの失踪の情報を聞きつけたという情報が得られた。
たちは、下手に明日の新聞で叩かれることを恐れ、その日に尻を叩かれるように急いでアルバニアへ向かった。
ただでさえ、預言者新聞ではワールドカップでの警備に対する魔法省のバッシングが酷かったのだ。

しかし、バーサの行動は奇抜なもので、マグルと魔法使いの土地の境界をフラフラうろついていた彼女の足跡を追うのは難しかった。
いくつもの魔法を駆使したものの、アルバニア魔法省との兼ね合いもあり、これといった成果は得ることが出来ない。
一週間ほど探索を行ったが、ある片田舎の旅籠で、バーサの足跡は完全に潰えた。














10/リドルの館、再調査















は久々に我が家を見上げた。
一年振りだろうか。

長旅を終え、はトランクを抱え、自宅へと戻って来た。
これでムーディの元へと戻れば、ずっとあそこの家へ入り浸ることになってしまいそうな気がしたのだ。

の家はマグルの町から少し離れた土地にある。
魔法使いの集落には住んでおらず、周りに他の家の影はない。
は家の中でただ一つ魔法をかけていない所、郵便ポストへ手を入れた。
中には一つの手紙が入っていた。

妙な魔法がかかっていないことを確認しながら、封を見る。
――セブルス・スネイプ。
半ば予想は出来ていた。

魔法界の郵便システムは何かと便利だ。
ふくろうが、受取人がどこにいようとも、確実に受取人のもとへと届けてくれる。
しかし、彼からの手紙についてはそのシステムは迷惑なものだった。
ムーディの家にいるのもとに、「セブルス・スネイプ」からの手紙が届くと……とてもまずいことになるのだ。

はその文字を見て、ぽっと心に灯火が点ったような気持ちに襲われる。
小さく微笑んで、手紙をマントの中へ閉まった。

腰から杖を抜く。
まずは、この家にかかっている一年前に己がかけた多様多種な防御魔法を解かなければならない。
息を吸い、肩をストンと落とし、は杖を構えた。
特別に変わった閃光を出すわけでもなく、は杖をクルクルと空中に絵を描くように振った。
低い呪文が深夜の空に響く。


あるタイミングでは杖をしまい、どこからか鍵を取り出した。
特に珍しいデザインをしているわけではない、マグルの家と言ってもそれほど支障はない、白い壁の小振りな家の玄関を開ける。
家には庭もなく、装飾の類はあまり見られなかった。

丸々一年間、家の主人がいなかったにも関わらず、家の中には埃一つ落ちていなかった。
玄関の床にも壁にも染み一つない。
ブーツについている砂を軽く払い、は奥のキッチンへと足を進める。

キッチンは、まるで使われていた形跡がなかった。
玄関や廊下と同じく、そこは全く生活感がない。
特にシンクは人の顔を映すほどにピカピカだった。
キッチンの中に物は極端に少ない。

テーブル、椅子、小さな調理台、保存食品や調味料などの貯蔵庫。
食器の類は、シンクの隣の小さな棚に全て収まっていた。
はそこのグラスとマグカップとティーカップを見て、グラスを手に取り、水道から水を汲んでそのまま飲んだ。

一人暮らしにしてもあまりにも食器が少な過ぎるが、そのような時は大抵魔法でそれを出現させるので、問題はない。
調理器具は、小さな鍋、薬品を煎じる時に使うものにとても似たそれよりちょっと大きな鍋と、小さなフライパンしかなかった。
それと、申し訳程度に、ティーポットが棚の下の端っこにあった。

はグラスを軽く洗い、シンクの隣に置いて、二階へと向かう。
二階の奥の部屋が寝室だった。
汚れの全くなかった一階とは異なり、生活によって壁が普通の家の程度に汚れていたし、多少の装飾品が見えた――ほとんどが貰い物だが。

寝室の扉を開ける。
今までの物のなさが嘘のように、部屋の中には様々な物が細々とよく整理されて置かれていた。
本棚が壁に並んで、不思議な魔法の道具が棚の上に並んでいる。
ちなみに、この隣の部屋も、この部屋と似たような感じで本と魔法の機器が置かれている。
また、この家には地下室も存在していて、そこには魔法薬の調合場があり、主に薬品や薬草が貯蔵されている。

はマントをハンガーにかけ、ローブを脱いだ。
大きく息を吐いて、アンダーシャツとスパッツ・レギンスの下着同然の姿でベッドに倒れた。
ベッドの上で大きく伸びをして、手を振る。
マントの中から手紙がの手へ飛んで来る。

封を開けて、中身にざっと目を通した。
短い手紙だったから、すぐに読み終わってしまう。
――この前のワールドカップの騒動での、私の心配しか書かれてないじゃないか。

は苦笑を噛み殺し、見慣れた字体を何回か繰り返し読む。
少しくらい自分の近況くらい書けば良いのに、あの男。
淡白な手紙を封筒に仕舞い、目を瞑る。

返事を書こうかな。
この頃の近況の愚痴ばかりの手紙。

多分、あの人は、新聞を読んで私のことを心配したのだろう。
ある記事には、私が倒れていた、とかいうことが書かれていたらしいし。
漠然と、彼に会って久々に彼を思い切りからかいたいな、と思う気持ちが心の中にあったが、目を瞑ると、それ以上に心の中に侵食してくるものがある。


――アラスターにこのことを知らさなくてはならない――。

この日が来るということは逃れられないが、今まで仕事にかまかけて、その時を伸ばし伸ばししてきた。
いい加減に決着を着けたいと思っていた。
は天井を見つめた。










*










セブルス・スネイプ。

誕生日、1960年1月9日。
性別、男。
目の色、黒。
髪の色、黒。

父、トビアス・スネイプ、マグル出身。
母、アイリーン・プリンス、魔法使い出身。

1971年ホグワーツ入学、スリザリン寮に組み分け、1978年ホグワーツ卒業。
卒業直後から、死喰い人の活動に参加――。





しかし、1980年に死喰い人から寝返り、スパイとして「不死鳥の騎士団」の活動に参加していたとされる(参考:アルバス・ダンブルドアの証言。次項に詳細)



?」


はゆっくり目を起こした。
資料室の入り口には、トンクスが立っている。


「ちょっと来て欲しいんだけど」


は、見ていた資料を、Sの頭文字が記された棚へ戻した。
その棚には、死喰い人登録者リスト(機密事項)、と書かれた古い羊皮紙が張られている。
関係者以外立ち入り禁止、と羊皮紙が張り付けられた入り口の扉へと向かう。


「どうかしたの?」

へこれが送られて来たみたい。魔法省の経由で」


はトンクスが持つものを受け取る。
どうやら、手紙のようだった。
その差出人の名前を読んで、は眉を僅かに寄せる。


「ルーファスじゃなくって、にだって。それも魔法省経由だなんて、ダンブルドアも粋なことをしてくれるよね」

「じゃあ、このことはもう既に――」

「だってこれ、私はルーファスから受け取ったよ」


は小さく肩を落とす。
アルバス・ダンブルドア――私に何の用だろうか。

僅かに唇を噛みながら、は封を開ける。
チラチラと覗いてこようとするトンクスを諌めることなく、は内容に目を通す。
手紙を折り畳んだ後、はこめかみに手を当てて、そこを揉むような仕草をした。


「……あの校長、無理難題を……」

「え?」

「トンクス。貴方は、最近のどこかの老齢のマグルの失踪事件が、闇の帝王の復興に関係づけられると思う?」


トンクスは黒い目を真ん丸にした。
その後、目を緩ませて人懐こく微笑んだ。


「あのダンブルドアがそう言うのなら、そうかも」

「……よねえ……」


は頭の中で計算をしていた。
実際に調査をするのならばそれに必要な人員と時間を、上を説き伏せることが出来るならばその方法を……。

……いや、この時期に、そのような理由で人員を割いてくれはしないだろう。
しかし、ダンブルドアの力を使えば……。
は手紙を見つめた。

この送付方法から考えれば、アルバス・ダンブルドアは、それを望んでいるのだろう。
それに、十二年前に決意した魔法省で立場を得たかった理由ももう果たされた今となっては、反感を抱かれるのを拒まなくても良いのかもしれない。
――まあ、今までだって散々好き勝手な行動を取ってきたし、今更かもしれないし。
ルーファスも、ダンブルドアの言葉はきっとないがしろにはしないはずだ。


「トンクス、貴方も来る?」


小さく首を傾げるトンクス。


「トム・マールヴォロ・リドルの父親の家に」


トンクスは眉をくいっと上げて、強く言った。


「行くわ」


は手紙をマントの中へ仕舞い、ルーファスへの口実を考え始めた。
そして、手紙の中に追記してあった、何十年も前のその家で起きたらしい殺人事件についての記録を調べる手筈も、頭の中で組み立て始めた。










*










モーフィン・ゴーントは、リドルの館の反対側の谷向こうに住んでいる、マグル嫌いの魔法使いだった。
彼は、リドル一家殺害についての詳細を事細かに自白し、彼の杖もそれに使われたものだとすぐに証明された。
彼はアズカバンでその生涯を終えている。

が目を留めたのは、アルバス・ダンブルドアが彼を釈放するように働きかけていたという記録だ。
結局省が決定を下す前に、彼は死んでしまったらしいが……。





埃を被ったかび臭い部屋を見回し、作業を行っている魔法使いたちへ視線を送る。
彼らはせっせと鑑識作業を行っているが、はそれが功を奏すのは難しいだろうと思った。


、まだ何にも見つかってないって」

「それに、見つかる気配もないのね」


トンクスは顔を顰めた。
彼女は、ラフなTシャツにジーンズを着て、鮮やかな色のネックレスをつけている。
その格好は、彼女のピンクの髪の毛にとても似合っていた。

対して、はまた決まりきったスーツだ。
は、マグル界で仕事をするときはこれ、ともう決めていた。

外でふくろうが静かに鳴いている。
マグルの場所でこのような作業を行うのは、人目につかないように、夜に行うのが相場だ。


「魔法的干渉の痕跡は、発見するのは難しそうだわ」


トンクスはそう言うの目を覗き込んだ。
トンクスは、あまりの能力を信用してはいないらしい。
は眉を上げる。


「貴方は? 何か気になることはある?」


の強い口調に、トンクスは唇を尖らせた。
まだ何の証拠も発見出来てはいないらしい。
はそれを確認し、もう一度辺りを見渡し、腕を組んだ。


「魔法の痕跡は皆無に近いと思うわ。何かしらの魔法的関与の気配がない――奇妙なほどにね」

「ここはマグルの土地だよ?」

「魔法界とマグル界の境界は概して曖昧なものよ。
 こんなに古い人気のなかった建物に、グールの一つも蔓延っていないというのはおかしいと思わない?」

「神経質過ぎるんじゃない、

「そうかもしれないわ」


はさらりとそう告げ、部屋の扉へ足を進める。


「私はこの屋敷の外観を調べるから、貴方はここでもう少し調べておいて。
 それと――もう一度言うけれど、死体や白骨などが存在するか、念入りに調べておいて」


魔法の気配が全くしない館の中を抜け、外へ出る。
辺りにマグルがいないことを確かめ、杖に明かりを灯した。
蔦の絡まり、屋根瓦がはげ、長年に渡って放置されてきた館は、お化け屋敷のような姿を呈している。
小高い丘の上に建っている館からは、下方にある村を見渡せた。

――やはり、この館には何の魔法的な痕跡も存在しない。

トンクスに信用されずとも、他の誰かに信用されずとも、はそう確信を持った。
魔法的関与が皆無な真っ白な空間は、この村の中で明らかに浮いている。
この館には、魔法使いの人為的な力が働いたはずだ。

しかし、そのことを一般的な事象で証明することは出来ない。


外観をぐるりと回りながら、は考える。
口は所々で呪文を唱えていたが、呪文に反応してくるものはない。
死体やそれに準ずるものを発見出来ることが望ましいが、そんなに簡単に発見出来るわけがない。

フランク・ブライス。
もしくは、バーサ・ジョーキンズのそのものを……。

暗い夜の中、自分以外が立てる物音が耳に届き、は足を止める。
目を凝らし、館の門へそっと向かった。
人影が近付いてくる。

マグル避け呪文をかけておけば良かったと、は思った。
ふと館を振り返れば、その中に光が点っているのが見える。
しかし、あまり大胆なことはしたくはない……。


「あんた、こんな所で何してる?」


地元の者らしい中年の男は、目がトロリとして顔が赤かった。
多少酔っているらしい。
好都合だ。


「貴方こそ、ここで何をしてらっしゃるんですか?」


は毅然とした態度で、リドルの館の少し前に堂々と立っていた。
男は頭をかく。


「俺ぁ、向こうの酒場に行くだけだよ。ダチが待っててね。あんたは?」

「警察の者です。以前フランク・ブライスさんの失踪事件の調査をした際、少し気になる点がありまして」

「こんな夜に?」


闇祓いの身分証明書は、マグルの警察のそれとよく似ていた。
それをちらりと見せる。


「ええ。急に新しい情報が入ったんです」


はスーツの下で、杖を握った。
簡単で軽い錯乱呪文を唱える。
この答えに、妙な疑問を抱かないようにだ。

が魔法をかけると一瞬男の目は空ろに彷徨ったが、次の瞬間にはをじっと見つめた。
魔法の効果か、急に上機嫌になりケラケラと笑い出した。


「大変なこったねえ。フランクの奴、いなくなってからも大層人に迷惑かけるもんだ。あの人殺しが……」

「人殺し?」

「惚けた顔をして、警察の人なら知ってるだろうが」


男はの肩をバンバンと叩いて、館の前を通り過ぎて行った。
道なりへ村へと下って行った。
はその後姿を見つめてから、館へ振り返る。


「トンクス。今の人、追って」

「了解!」


元々自分で行こうと思っていたのだが、予定が崩れてしまった。
思いがけない訪問者により、マグルへの聞き込み調査をするにはもう顔が割れてしまって、都合が良くはない。

それを見計らっていたかのように、トンクスは館の入り口からの方へ駆けて行く。
この様子では、館の中では何も気にかかることはなかったのだろう。

の目前で、トンクスは派手に転んだ。
は腕を組んでそれを見下ろす。
トンクスの足元には、木の枝が転がっていた。


「距離を多めに取りながら、追いなさい」

「はーい……」


慣れっこのは、冷静に言い放つ。

は、再度リドルの館へと入る。
は隅々まで、部屋、廊下、階段を調べ始めた。
魔法使いらしくなく、地を這うように床を凝視するを、鑑識の魔法使いは異端の目で見た。

ここまで魔法の痕跡を完全に消し去った魔法使いは、それと相反して、物理的な痕跡をそれほど重要視していない可能性が高い。
がその典型だった。
彼女は魔法に頼り過ぎている――本人は自覚しているのかは分からないが。

しかし、床には埃の塊と鼠の歩き回った後しかなく、時間はゆるゆると流れていく。
膝は埃で汚れてしまうし、じっとりとした汗が額を伝う。
――やはり彼女がそんなミスを犯さないか――。

半ば諦めかけていた時、床から視線を上げ、何気なくキッチンのシンクの下へ目を向ける。
中にキラリとしたものが見えた。

以前の住民の残していった家財道具がこの館には沢山あったが、そのどれもが、今や埃を被っている。
はその光を追って、シンクの下へ身体を滑り込ませる。
他の薄汚れた調味料や飲料の瓶とは明らかに異なる、滑らかな輝きのある瓶がそこにあった。

そろりとそれを引き出し、光に照らす。
中の液体は水のようにサラサラとしていて、無色透明だった。

は目を細めてそれを見る。


!」


トンクスが息せき切らして戻ってきた。
は床に膝を着けたまま、トンクスを見上げる。
トンクスは髪の色を栗色に変えていた。


「要点をまとめて」

「ここ辺りのマグルの間では、フランク・ブライスがかつてリドル一家を殺した奴だと思ってるみたい。
 リドル一家は殺害された様子じゃなかったから、彼は釈放されたらしいんだけど」

「「死の呪文」をマグルの警察が判断できるわけがないものね」

「それと!」


トンクスは、書類を取り出した。
がそれに目を留めると――。


「この辺りのマグルの警察の調査資料ね」

「そう。それで、ここを見て」


はトンクスの要領の良さに思わず頬を緩ます。
トンクスが指したのは、フランク・ブライスの事情聴取の内容だった。


「リドル一家が死んだあの日、館の付近で見かけたのは、黒い髪で青い顔をした見た事のない十代の男の子だけだった、って」


は思わず、トンクスの顔を見つめた。
思っていたことと、この情報がピッタリと噛みあったのだ。
言おうか言わまいか迷ったが、トンクスの真っ直ぐな瞳にかけることにした。


「……昔と今のこの村での事件について、「例のあの人」が関与している、って感づいていたの?」

「どうして? 青い顔をした男の子だなんて、一杯いるでしょ?」


は生意気な後輩相手に息を吐いた。
トンクスはやたらにニタニタしていて、はその目と視線を軽く合わせた。
心を閉じるつもりもないトンクスの思考は、簡単にへと入って来た。

――彼女は、どこからこんな考えを持ち出してくるのだろうか。
以前の戦争に参加していたのならば分かるが、彼女はそうではない。


「ありがとう。この資料は、ダンブルドアへ渡しておくわ」

「私の思惑、分かってもらえた?」

「ええ。貴方が、私と全く同じことを考えているということが分かったわ」

「じゃ、どうして、私がバーサやフランク・ブライスの死体を真面目に探そうとしないのか、って言われれば……」

が見つけられないのに、自分に見つけられるわけがないって思ってるから」

の能力を全肯定したわけじゃないけど、私にはそういう能力が全然ないからね」


はやっと床から膝を離して、立ち上がる。
手にはしっかと例の瓶を握っていた。


「それは?」

「貴方と私の仮説を、立証するかも知れない証拠よ」


トンクスは目を丸くした後、訝しげに瓶を見つめた。


「もっとも、昔の事件の方を立証することはできないだろうけれど……」


きっと、それを立証できるだろう材料を、アルバス・ダンブルドアはその手に持っているだろう。
「昔の事件」は、今の事件を解き明かすための参考に過ぎないものだ。


「ヴォルデモート卿について、少しでもその出生と性格を知っていれば、彼がマグルの父を殺そうとしたという考えは容易く得ることが出来るわ。
 彼が若かった当時はそうとは考えられなかっただろうけれど。
 彼なら後の小細工もうまくやったはず……モーフィン・ゴーントを真犯人につるし上げることくらい、出来たはずよ」

は、ダンブルドアから提示されたそのヒントを参考にして、今の事件を解き明かしたいわけだ。
 ヴォルデモートと失踪者の関係を解き明かしたい。
 この場所に潜伏していた、という証拠もできたら見つけたい」

「分かった口を利いて……」


はトンクスに瓶を渡した。
トンクスは物珍しげにそれを眺める。


「それ、成分解析をするよう渡してきて。その後は、もう一回この屋敷を洗いざらい探りましょう」

「え〜……十分探してたじゃん、

「貴方に足りないのは忍耐力ね」


は、自分より背の高いトンクスの頭をポンと叩いた。
トンクスは不承不承の顔でキッチンを出て行った。

夜はまだまだ長くなりそうだ。
は中腰を続けて痛くなった腰をさすった。



























2008/11/27






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