終章/The past and the future
その後、彼女は案外様変わりした。
綺麗に治らなかった傷を隠すために髪型を変え、それだけで彼女の雰囲気は随分と変わった。
周りの人々はそれだけでを判別出来にくくなり、はそれで奇妙な気分を味わった。
自分だと判別されるまでの、この女扱いは、何だ?
以前、セブルス・スネイプに容姿について罵倒されたというのに。
もっとも、自分だと判別されたら扱いは元のように戻ったが、それでも一部の人々はを多少以前と異なる扱いをした。
それはとても気持ち悪かったけれど、流石にもう二十代だと気付き、アリスに薦められるままには彼女の実験台となった。
彼女が好きなように自分の顔を塗るのをある程度で留め、社会人として必要な身嗜みを整えた。
そうすれば、益々周りの人々はを判別しがたくなるのだ。
そしてその中で、はセブルス・スネイプに酷い傷を付けられた恨みを益々募らせていく。
彼がアズカバンを逃れたという事実も、にとっては腹立たしかった。
アルバス・ダンブルドアの弁護があったというが……絶対に彼は死喰い人なのに!
その後、世間がもう平和が訪れたと思っていた頃に、闇祓いのロングボトム夫妻の襲撃事件が起こった。
そこでは、ムーディを差し置いて、単身でバーテミウス・クラウチJr.とレストランジ夫妻を逮捕。
その功績によって、は世間に一躍脚光を浴びた。
はムーディと同様に、腕利きの闇祓いとして世間に認知されることとなった。
時は流れ、ムーディの引退後、は、ルーファス・スクリムジョールの計らいにより闇祓い本部の本部長に就任する。
彼女が望んでいた地位を手に入れたのだが、それと反対に、は面倒な仕事内容に辟易した。
自分で動かなければ納得がいかないは、自身でこの役職に向いていないと認識した。
その時、ハリー・ポッターはホグワーツ二年生になっていた。
ホグワーツで秘密の部屋事件が起こっていた頃、は別件の仕事で杖腕を負傷した。
その後に、シリウス・ブラックが脱獄したのだ。
就任していた地位を明け渡し、は持ち合わせていた省内での地位と力で捜査を開始する。
彼女が望んだものは、ホグワーツでの滞在だ。
ホグワーツもそれを快く引き受けた。
シリウス・ブラックは、ハリー・ポッターを狙っているとされている。
アズカバンでブラックはずっと同じような寝言を呟いていた、と看守は報告した。
あいつはホグワーツにいる、と。
の願いは、ブラックの罪の真偽を明確に判断すること。
それと、もしブラックが死喰い人ならば、闇の時代の構築を食い止めることだ。
本当に「あいつ」のいるホグワーツにやって来てくれるのならば、私は其処で迎え撃とう。
ハリー・ポッターを守ることは魔法界全体の願いだ。
もそう考えている一人だった。
ご機嫌には、鼻歌を口ずさみながら歩く。
遠くにアズカバンの看守達が見えた――いや、今はホグワーツの警備者だ。
十二年分の違和感を果たす時が来た。
ずっと前に抱いた気持ち悪さを、今から、果たすことが出来る。
十二年前に師匠が言っていた通りに事は進んでいる。
後は、私がやるだけだ。
ブラックの罪の真偽を明らかにする、または、そのために一旦ブラックを捕らえる。
あれから随分時が経ったし、私も随分と待った。
その間に、私は省内での力を掴んだし、多くの経験を積んだ。
もう、前のようにはさせない。
ブラック、貴方を捉えてみせる。
目の前には壮大なホグワーツ城が、を待ち受けている。
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2008/8/20
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